自宅に人を招くと、言われること。
すっきりしてるね~ と。
ありがたい。
今でこそ、そう言ってもらえるようになりましたが(心の声は、殺風景~だったとしても笑)
結婚後の新居が、10年一人暮らしをした私のコーポに主人とそのまま暮らすという、お引越しなしのスタートだったので、とてもモノの多い家でした。
そもそも独身時代は、趣味は雑貨屋さんめぐりですっ (キリっ)と胸を張っていうほど、こまごましたモノが好きでしたし、
食器に至っては、ふたつ置いた食器棚をパンパンにして、それでも押し入れにまだ、ダンボールに詰めこんだ食器が出番を待っている状態。
一人暮らしには似つかわしくない量を持っていました。
壊れてない限り使えるモノは捨てる選択はありません。
雑貨だけでなく、洋服、本、主人の趣味道具、
子どもが出来てからは、モノの増加は加速度を上げて、お古のこども服も頂けるモノはぜんぶ受け入れました。選ぶ、なんて選択は0
結果、家のモノは溢れかえっていきました。
わが家に転機がおとずれたのは、今から約3年前、あるママ友さんのお宅におじゃまする機会がありました。
その方は、控えめな物静かな方で、あまり自己主張もなさらない、どちらかというとママ友の中でも目立たない印象の方でした。
扉を開けてびっくり。
すっきり、ただただすっきり。
玄関からリビングに続く廊下は視界を遮るものがなんにもない。きれいに手入れされた真っ白な下駄箱の上に、一輪さしのお花がキラキラして見えました。
磨き上げられた洗面台の清潔感には、昨夜つくろったかのようなその場しのぎではない、確かな日常が伺えました。
おなじ専業主婦で、普段おなじように子育てトークをし、時にはグチも言い合うママが、一歩家に入れば我が家とは全く違う毎日を過ごしていることが、わたしには衝撃でした。
「引き出しひとつからでも、やると気持ちいいよ」
穏やかにそう言った彼女のことば通りに、夜ご飯の煮込み料理ができるまでの間、食器棚のひとつの引き出しから、一年間一度も使っていないキッチン小物たちを取り出してみました。
出してみれば、7割がこの1年つかっていないモノたち。
残された3割のモノたちは、さっきまで使ってもいないモノたちと一緒に、小さな引き出しの中に押し込められていたのでした。
引き出しの四隅のちりを払い、厳選したモノたちだけを整然と並べたときの、あのすっきりとした静かな達成感をいまでも覚えています。
そこからも、モノを減らす機会、理由はいくつもありましたが、すべてはあの日わたしに起きた小さな成功体験が、シンプルってきもちいい、と脳にこころに焼きつけてくれたと思っています。