あなたは絵本の中に
「怪談えほん」というジャンルがあるのは
ご存じでしょうか。
知っている方はもう
「なにをいまさら・・・」のレベルなのだが
知らない方のために
警告というあえてのきつい表現でお伝えしたい。
絶対に学校や園での読み聞かせに
用いてはならない絵本がある。
「いるのいないの」である。
この絵本。
おばあちゃんと孫息子の会話が
かなり秀逸。
大人でさえもこのやり取りに
深く考えこむことができる深みがあります。
そして、迎える衝撃のラスト。
京極夏彦&町田尚子のタッグは
子ども、いや大人でさえも閲覧注意。
いや、いいんですよ、家庭なら。
親が子供に合わせて
問題ないと思えば
読んで差し上げたらいいと思います。
むしろ、親子で引っ付いて読むのも
よい思い出がひとつふえると思います。
でも、いろんな子がいる
グループの読み聞かせには
オススメできない。
次男がこの絵本を近所の本屋で読んだとき
そのインパクトはとても強いものだったようです。
それまでテレビや本なども
怪談系は見る機会がなく
初めて触れる「得体の知らない怖いもの」としては
少々毒が強すぎました。
処理できない感覚を持たせた対象物に、
彼は誰かとその感覚を共有することで
消化させようとしたのでしょうか?
あろうことか、この絵本を学校で見つけ
学校の図書の日にクラスの子の前で
読んで聞かせたと、
私に衝撃の告白をしてきました。
「で、読んであげたらみんなどうだった?」
焦る気持ちを抑え、聞きましたら
「みんな?きゃー!って言ようた。
ん?女の子?なきょうたよー(泣いてたよー:訳)」
えーえー、そりゃそうでしょうとも。
「先生におこられるか思うーたわー
おこられんかったけどな」
次男はさも痛快だったといわんばかりに
話しておりました。
図書室内をいきなり襲った絵本テロ
二度と同じ悲劇が起きぬよう望みます。
うちの子にはよく言い聞かせました。
「いるのいないの」
京極夏彦 作
町田尚子 絵