denimm日誌

雑記帳

お片付けは最大のご供養

「亡くなったお母さんのモノを片付けたい」

Tさま(仮名)からのご依頼は
数年前に亡くなったお母様の遺品が入った納戸を
一緒に片づけてほしいというご依頼でした。



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以前より一人暮らしをされていたお母様が
生前に絵画や書を楽しまれていたそうで
その作品たちが納戸を占領した状態。

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この家に住むT さまご夫婦とお子さん、
生きている人のために
このスペースを使いたいと仰り

どんな場所にしたいかという
希望もしっかり持っておいででした。

本来は思い出の品からお片付けに手をつけると
要不要の判断に時間がかかるので
初動スピードが上がらず
精神的な消耗のわりに
作業の進み具合がいまひとつになる事が多い。

 “わたし、やっぱりお片付けは苦手だわ”

こういった思いを抱かせるリスクがあるのですが、
Tさまにはそれは当てはまりませんでした。

お母さまの生前の楽しい話を伺いながら、作業は進み
納戸の中は、一旦空っぽになりました。


数を絞って残すものを決められたTさま。
残すと決めたお母様の作品たちを置く場所は
もう納戸ではありません。

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この家の玄関、一番目立つ明るい場所に
Tさまはお母様の作品を飾ることになさいました。

季節ごとに飾る作品は変えていき
娘さんご夫婦の暮らしの中に居場所を見つけました。

Tさまは、納戸にあった多くのお母様の作品を手放しました。
でも、お片付け前よりもお母様を近くに感じると仰ったことが印象的でした。



所有している。家の何処かにはある。
これでは、意味はないように思います。
思い出を胸に、今を生きる人たちが心地よく暮らすことが
一番大事なことではないでしょうか。