denimm日誌

雑記帳

出発点は、人は人を理解できないという処から

「人の心はどこまでわかるか」

臨床心理学者 河合隼雄氏の書いた本を

数年前に読んだことがある。

 

冒頭、

人の心は分からないものだということを

よく分かっているのが心の専門家である、

ということが書かれてあって

読んでみたいという気になった。

 

分からないから知ろうとしない姿勢ではなく

専門家として分かろうと

寄り添っていく覚悟が感じられて

読後感の心地いい本だった。

 

とかく、心、いわゆる精神世界について

書かれているものの中には

形ないものを説明表現しようとするあまり

言葉の力に頼りすぎて、結果

言葉を弄んでいる印象を受けるものに

出会うことがある。

 

読んだ後は食傷ぎみの脳内を持て余し

けれど、分かった風を装わなければならないような

こちらの理解力がないのだと言われているような

無駄に消耗を覚える、あの感覚がない。

 

それは、河合先生があくまでも

現場で動き、感じたことを

書かれているからだと思う。

 

観念は観念であるだけで

そこに説得力はない。

 

ご興味のある方にはお勧めしたい本だ。

 

 

時々、私たち夫婦は仲良しだねと

人から言われることがある。

それでも

私が主人のすべてを理解することなど

今もこの先も到底できないのだろう。


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人の気持ちはわからないもの。

 

そう思うからこそ

気持ちが通じたと思えた時

その時が尊いものに思える。