よう子の家族と本とお笑いと。

主婦よう子が暮らしのできごとや気持ちを綴るブログ

月灯りに見守られて

「夜泣きするお前を抱けば私しかいないんだよと月に言われる」

 

これは 

 俵万智著 そだちノート の中に出て来る短歌の一句。

 

そだちノート

そだちノート

 

 

先日、本屋さんでたまたま手に取った本に

出ていた短歌に目を止めていた。

 

あー、こんな時あったなあと。

 

泣き止まない我が子を抱き

立ち歩くにはもう疲れすぎて

ソファに深く身体を沈める。

 

そんな時、窓からはよく月が見えた。

 

アロマランプだけの照明の中で

 泣き止まない我が子の頬が

月明りに照らされ、白く輝いているなあ。

 

どうしていいか分からず

私はぼんやりそんなことを考えながら

子どもを抱いて、また部屋中を

ウロウロ歩きまわる。

最後は、お腹の上で抱いたまま

私もソファで寝落ちしていたのだった。

 

今なら分かる。

乳幼児のころの悩みは一時のもの。

一年後も全く同じ悩みがあることの方が少ない。

 

もうじきその子は、添い乳10分で

寝てくれるようになる。

あなたも、そのまま寝られるようになるよ

あの頃のわたしに言ってあげたい。

 

渦中にいる時は分からない。

毎日、嬉しい発見がある反面

不安や眠れない辛さから

近い未来に私のこころは

目を向けてあげられなかった。

 

 

ひとつの短歌に

あの頃の気持ちを

不意打ちに引っ張り出されて

本屋で思わず泣きそうになった。

 

一生の中で

あれほど、誰かに求められる時ってないだろう。

わたしじゃなきゃダメだと

全身で訴えかけてくる圧倒的な存在。

 

 

小さな子どもを抱く、同じマンションの人から

乗り合わせたエレベーターで

「いつも夜、うるさくてすいません」

と、謝られた。

「いえいえ、ぜんぜん大丈夫です」

 

数秒のことで、

その時の若いお母さんには

全く気の効いた言葉が返せなかったけれど

 

子どもの泣き声は

今のわたしには不快なものではなく

とても心地いい音なのだと

今度お会いした時には伝えたいと思う。