denimm日誌

雑記帳

漁港の肉子ちゃん読了

西加奈子さんの漁港の肉子ちゃんを
近所のパン屋さんで読んでたら、
これはまずい。。涙腺が勝手に。。



その時、彼女の涙の理由(わけ)を僕は知っていたんだ。


みたいなー。
そんな儚さをはらんだ風情が
この時の私には全くなかっただろう。

とっくに肩は震わせていたと思う。
だらしなくくしゃくしゃになって
眼からも鼻腔からも何かと溢れていただろう。

それでも続きの読みたさを
座席が店内の角だった事もあって
我が儘に通していたのだが
遂に、陥落。
これ以上嗚咽が堪えられそうになかった。

イートイン席から逃げるように
伏し目がちに席を立った。


我が家に戻った私はこころゆくまで
胸をいっぱいにして嗚咽し
そして最後はクスッと笑った。


西加奈子さんはずるい。

自宅に逃げ込むほど嗚咽させ
そのくせ最後は爽やかな読後感を残す。
やり口にまんまとである。


誰かを責めたり、自分を情けなく思わず、
それでいいのって思える。

「ちゃんとした大人なんて一人もいない」

言葉が沁みる。




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ラジオで本を紹介してってリクエストに、
この本を挙げた
アインシュタインっていうコンビの河合さんを
私は以前より好きになった。



まーた、お笑い芸人発信なの!?

という、ある種のクレームは
受け付けておりませぬ。