denimm日誌

雑記帳

ジャン・レノに感謝の花束を

私が花束を渡すなら

アルジャーノンではなくジャン・レノに。

 

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俳優ジャン・レノと言えば

何と言っても映画 “レオン” が浮かぶ人が多いと思います。

最近はドラえもんかな。。

 

まだ、私が独身だった頃

当時公開された映画 “レオン” を見て、

とてもいい映画だなーと思いました。

 

ここで、唐突に話が変わりますが

わたしと主人の話をします。

 

老いも若きも、中年も

女という生き物は

コロコロと脈絡なく話を変える生き物だと

ここは言い張らせていただいて

寛容なお心持ちで、このまま読み進めてくださると

書き手の私はとても喜びます。

 

私たち夫婦は付き合う前は二年ほど友人関係の期間がありました。

グループ数人の中のひとりという存在以上でも以下でもない関係。

みんなでご飯を食べたり、ドライブしたり。

 

その日も、たまたま、みんなそれぞれの好きな映画の話になったときに

“レオン” の名前も出ました。

その場にいたほとんどの友人が、

一度は見たことがあるようでした。

 

「そういや、この前レオンがテレビで放映されてたなー」

彼が言うと、数人がうんうんと頷きます。

 

「でも、こないだのは、ちょっと残念。

 最初の、レオンが映画を一人で見るシーンがカットされてた」

 

「えー、あそこ、カットされてたの?

 私もあのシーン好きなシーンだわ。

 そうかー、やっぱり放映時間の関係かなー」

 

と、その時そう答えたのが私だけで、

他のみんなが、そんなシーンあったかなーという反応だったそうです。

 

語尾が伝聞調になったのは

私がその時の事をあまりよく覚えていないからです。

 

そんな会話を当時友人だった主人と交わしたという話を

私は結婚後、何年も経ってから聞きました。

 

何かで話しているときに、ふざけて

「なんで、私と結婚しようと思ったの?」と聞くと

主人が、きっかけのエピソードとしてレオンの話をしたからでした。

 

ご存じの方も多いと思いますが

映画レオンは、孤独な殺し屋レオンと

家族を殺されて復讐を誓う12歳の女の子の

交流を描いた哀しくも美しい物語です。

 

映画の冒頭シーン、

レオンが映画を一人で見ています。

館内にはあまり人が入っておらず、退屈げに過ごす人が多い中

レオンだけはキラキラした眼差しでスクリーンに見入っています。

時折、ちょっとした気配にびくっとなり、厳しい表情を向けながら

また、スクリーンに目を戻し、ポップコーンに手を伸ばします。

レオン演じるジャン・レノの表情がまたいいのです。

 

何年も見ていないので、

細かい描写が違っているところがあるかもしれません。

ただこのシーンは、これから始まるこの物語の主人公が

どれほどの底知れぬ深い孤独を抱えている男なのか

それを一瞬で伝えてくれる、好きなシーンです。

 

顔の見えにくい暗い映画館は

殺し屋の彼にとって、唯一の娯楽を楽しむ場であったでしょう。

その映画をみる時間でさえ、彼を守ってくれるものはありません。

衣ずれ程の少しの気配のゆらぎに

神経を張り巡らさなければならないほど

彼が常に緊張状態に身を置いていることが伝わります。

 

私がこの映画を初めて見た時が

まだ、一人暮らしをはじめたばかりの時でした。

慣れない生活から不安や孤独を感じていた頃だからこそ

このシーンが印象に残っていたのかもしれません。

 

主人もこのシーンが印象的だったらしく

同じシーンが好きで好きな理由もいっしょだった人が

私が初めてだった。

そしてそれを聞いて、女性として意識し始めたんだと彼は答えました。

 

私は、愛されてます自慢、いいシーン気づいていましたアピールを

したいわけではありません。

言いたいのは、人はみんなそれぞれに好きなツボ、笑いのツボなど

ここっていう心の動くツボがあるということ。

そして、自分と同じツボ、アンテナを持つ人に出会うと

その相手には、親近感やこの人は理解してくれる人だと

認める気持ちを急激に起こさせるということです。

 

結婚相手を求めるとき、いろんな判断材料があると思います。

選ばれる立場から、自分を磨く様々なやり方だってあるとも思います。

 

感性を磨く。

それだって、ひとつの花嫁修業だと思います。

 

何が好き? 何に今日こころが動いた?

何に笑った?

何が腹が立った? なんで、今日いやだって言えなかったんだろう?

 

自分のこころの声に耳を傾けてあげられる時間が

自身が大事にしたい感覚を育ててくれるように思います。

 

先の一文の中で “愛され自慢” じゃないと言いましたが撤回します。

今日は14回目の結婚記念日。

どや顔で自慢します。

 

ジャンレノがいなければ、私たちは夫婦じゃなかった。

ジャンレノ、ありがとー。